iBS外語学院40周年記念実行委員会

「襟を正せ」― KONA 編集委員 小原 学

「襟を正せ」とは一体誰に向けた言葉なのか?「KONA」発行に向けたEDITOR'S LETTER

Text & Photo Gaku "Terry" Obara

バタバタと11月が過ぎてしまい、もう数日すると12月。1年の終わりが刻々と近づいている深夜、ようやく編集作業も終わり皆様に「KONA」をお届けできる準備ができた。

なぜこの企画を思い立ったかと正直に話すと、住所録サイトへ入力していただいた卒業生への「付録」としておまけのような企画からだった。大いにふざけてウィットに富むサイトにすることも可能だったけれども、31期の幸野”アルバート”稔君や、40期の栫井”ハント”俊暢君の前ではなぜかその企画を進めることを躊躇ってしまった。

だって、この2人、真面目なんだもの。

キチガイのような男が、いきなり号令をかけてここまで仕上がったのはこの2人のお陰だと思う。ここで、感謝を申し上げておきたい。発狂した先輩のオーダーに真面目に答えてくれる後輩、実社会ではパワハラまがいである。また、今回の企画に賛同いただいた卒業生にもこの場を借りて御礼申し上げたい。

さて、題名にも書いたように「襟を正せ」である。

「桜を見る会」という、名目上は牧歌的な、しかし内容としてはかなり恣意的な催しに対して国会が大きく揺れている。大体、公文書をシュレッダーで破棄したという事が国の機関でまかり通るのであれば、領収書を破棄したといって税務署でゴネてもバチは当たらない気がする。そのくらいの、全くもって理解し難い事がこの国では起きている。そして、如何しようもないくらいに国民は政治に興味がなく、日々の生活を送っている。

国会議員というのは、間接民主主義制における有権者の代表者である。すなわち、私たち国民の代弁者であるはずなのにも関わらず仕事ができていない。逆説的に言えばバカな国会議員を生み出してしまったのは私たち有権者である。

今の社会に不満があるのであれば、選挙にまず行くことをお勧めする。そして、選挙民としてたとえ候補者の主義主張があなたと完全に一致しなくとも、Much better than nowと思える候補者がいたらその名前を書いて投票箱に入れればいいだけなのだ。「襟を正す」のは政治家はもちろんのこと、選挙民にも同じ事が問われているのではないだろうか。

その選挙民の中でも程度の悪い方から数えた方が早い私こそ、やっぱり「襟を正す」必要性のある人種である。離婚して3年、日々のスケジュールに押しつぶされそうになりながら、週末は家事をせっせとこなしている。我ながら健気と思う反面、これが当たり前なんだろうと今更ながらに気づいている始末。41歳にして、自らを再教育。これをチャンスととるか、哀れなおじさんだと考えるかは自分次第。もちろん、能天気な私は「チャンス」と取る。

今回の特集に「オンナはカワル」という、少々過激なタイトルを選んだ。変わることを恐れては何も進まないではないか、というメッセージを込めて企画したものだ。日々の生活の中で「こんな私じゃなかった」と思う人は間違いなくいるはず。だけれども、その現状を打破するのも自分自身。いま、日本に生きる私たちに求められているのは「襟を正して、変わる」ことなのではないかと思う。その行動こそが新しい時代を切り拓き、新しい自分を見つけるキッカケになるのではないかと信じている。

これから2020年9月まで続くこの企画、毎月視点を変えてiBS外語学院の40年を俯瞰できれば幸いであるし、また次の50周年に向けて何か新しい道筋となってくれれば、なお嬉し。ささやかに、40周年のiBSに感謝の意を込めて。

Gaku“Terry”Obara: 23期卒

1978年生まれ  iBS卒業後はアメリカとオランダで通貨を学ぶ。街の陽気な自動車文化人を自称し、世界各国より自動車を輸入。

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